achi's ブログ

暇つぶしに(*´∇`*)

カラスVSゴルファー

※この物語は事実に基づきカラスの目線から再構成したものです。
 
とても天気の良いすがすがしい日、カラスのカアくんはゴルフ場の空をのんびり散歩していました。
「なんかええもんないかなー。お!」
カアくんが見つけたのは一台のカートに積んであった、少し大きいめのクーラーボックス。
何やら美味しそうな予感がします。
 
カアくんは、人間たちがカートを離れるのを待って、そろっと見に行ってみました。
ファスナー式のクーラーボックスで外側にはネットで出来たポケットが付いていました。
ポケットの中身を口ばしで探ってみます。
 
「ハンカチかいな。なんやこれペンギンの絵描いてあるやん。
こんなんパクったら飛べんようなるわ。ぽいっ」
 
座席に掘り投げます。
 
「ライターかぁ。山火事なったら大変やしな。ぽいっ」
 
また座席に掘り投げます。
 
「たばこかい。食べたら死ぬやん。ぽいっ」
 
またまた掘り投げます。
ここで人間たちの居場所を確認します。
 
「あはは!ラッキー。バンカーにつかまっとるわ。あのアゴの高さではいっぺんでは出えへんで。
ゆっくり出来そうや。クーラーの中身みてみよ。
あーあ、だからそっちの方向では無理やて。諦めて横に出せよ笑」
 
クーラーのファスナーをカアくんは上手に開けました。
 
「美味しい予感的中ー。飴と・・キットカットと・・」
 
そこでもう一度人間を見ます。
 
「そやしゆうたやろ。それもう3回は打ってるやろ。あーあ、このホールで今日一日終わったね。」
 
カアくんは、お茶に紛れてジップロックの中にあったおやつを手に入れました。
その時、こらー!!!という大きな声が聞こえました。
 
びっくりしたカアくんは飴をくわえて飛び立ちます。
バンカーに捕まってる人間Aをグリーン場で暇して待ってた人間Mに発見されたよう。
 
「もー、急に大声だしたらびっくりするやん。
ファスナーちゃんと閉めようおもてたのに、開けたまま飛んでしもたわ。
お茶、ぬるなるからちゃんとしめときや。ありがと。」
 
カートに戻ってきた人間Aは、おやつをパクられたことよりも、自分が10叩いてしまったことがショックで、
もはやファスナーを上手に開けたカラスに感動したくらいでした。
 
 
 
林に帰ったカアくんがゆっくり飴を食べていると、
息を切らした鹿がやってきました。
 
カアくん
「あ。しいちゃん。どしたんそんな息切れて」
 
しいちゃん
「ファアウェイ横切るのに、全力で走ったのよ。
人間たちがティーショットした後が一番チャンスだからね。」
 
カアくん
「しいちゃんも苦労してるなぁ」
 
しいちゃん
「カアくんみたいに空を使えるといいけど。
ほんと危険なのよ。前にね、ティーショットの50yくらい前にいたのよ。
まさかドライバーでここに打つやつはいないと思ってね。
そしたらフォアアアって言われてさ、ゴロゴロってこっちに飛んできたのよ。
いわゆるバッタ殺しっていうやつ?
それからボールの行方はちゃんと見ることにしたわ。
90度右に打つやつもいるからね。」
 
カアくん
「笑けるね。ドライバーで90度右ってなかなかでけへんで。
木に止まって寝てても、カーーーーンってよく木に当てられるねん。そらもうびっくりするで。
ほんで真下に落ちたボールを人間が探しにくるねんけど、
おいおい、ここやで、そんな前の木ちゃうで。そんなとこまで飛んでないで、って言ってやりたいねん。
たいがい、うんと前の方、探しとるねんな。わらけるよな笑」
 
しいちゃん
「みんな気分はプロゴルファーだからね。
意地悪してやろうってバンカーもよく通るんだけど、足が小さくてねー。私の足跡ぐらいはあまり邪魔にならないみたい・・・。」
 
そこでお昼寝していたイノシシが起きました。
 
カアくん
「あ、いのっしー、そんなとこで寝てたん」
 
いのっしー
「おはよう。なんやら楽しそうやん。」
 
カアくん
「人間観察はおもろいで。次はどんないけずしたろかなと。」
 
いのっしー
「おいら、みみず堀りに夢中になっていたら、穴がぼこぼこに開いててよ。
そこに打ってはまったボールを人間が、アンプレしていいですか;;;;って言っとった。」
 
カアくん
「あはは。あれはプロでも出せんわ笑 いのっしーの穴ぼこは強烈やもんな。」
 
しいちゃん
「私はフンをあちこちに落とすぐらいしか意地悪は出来ないなぁ。それでも広いから、なかなかピンポイントでフンの上にボールが乗るってことはないからなぁ」
 
いのっしー
「あれよ、しいちゃん、カップまわり一周にフン落としておけば?」
 
カアくん、しいちゃん
「それわらける~~~~。あはははは。」
 
 
 
ゴルフ場ってこんなところです。
野生動物と共存できる場所です。他にリスもタヌキもイタチもフェアウェイを渡ります。
 
自然がいっぱい。
 
ゴルファーと森の仲間たち、でした笑